婆女のお伽噺

ずっと昔から…まだ、年端もいかない若い頃から、晩年は都心のホテルで暮らそう…と、思っていた
(あの高額な絢爛豪華な老人ホームに魅力を感じたことは無い
あの狭い社会の中での年寄りたちの虚飾に満ちた競い合いを見てるだけで悪い油の揚げ物を食べたようにお腹いっぱいになって来る)
ホテルの無機質な生活に憧れた
毎日メイドさんにお掃除をしてもらって、シーツやバスタオルを変えてもらい…
クローゼットの中にはお気に入りの着心地の良い洋服が四季を通して数着…履き心地の良さそうな靴が数足
朝、目覚めるとブラシの掛ったいつもの洋服を着てロビーに下りて行きソファーに座り込み、香りのよい珈琲を運んでもらい新聞を読む…
その時の私の姿はかなり高齢で、杖をついて口を真一文字に閉じて頑固そう
それからおもむろに腰を上げホテルを出て通勤の人混みの中をゆっくりと歩いて行く…
同じ時間、同じように婆女の日々が流れていく…
これが私の理想の老後…妄想はここでいつも終わる…

又一段と生活はスリムになった
この連休、観光地は何処も千客万来、大変な人出だったらしい
私はそんな報道を横目にまた、ひたすら物の処分に明け暮れた
「何もいらない…ホテルの部屋のクローゼットに入るだけ…」
そして何回目かの断捨離は続く
ホテル暮らしは結局叶わないだろうが…
せめてこの部屋をベッド一つ…座りの好い椅子一つ、お気に入りのテーブル一つにしたい
今はキッチンの戸棚も引き出しも無駄な物は何もない…
いくつかのお気に入りの道具だけでお料理を作っている
お友達の家の蔵に有った古伊万里のお皿などをお母さまから頂いた
そのお皿達さえ断捨離で処分した
もう新しい食器に手を出すつもりはない
素適な食器も素敵な絵もお訪ねするブログの中で楽しませて戴いてる
クローゼットの中も断捨離から免れた洋服が静かに収まっている
生活感の無い暮らしに一歩踏み出している…
でも…お掃除とシーツ交換は自分でやらなくてはなあ…ホテルとは違う…これが現実´◠`

さて…朝の通勤の人混みの中、杖をついてゆっくり何処に歩いて行くか…
婆女の行先を夢に訪ねてみようかな…婆女のお伽噺は続いて行く…
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by time2022 | 2015-05-06 07:19 | 日記

2017年 11年目の海辺暮らしとなりました       黄昏て70才 撮りためた写真でその時思った事、今思う事等を、書き綴っていきますブログ内の写真イラストの使用を禁じます


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