夫の事

夫は浅草生まれの浅草育ちで、物心ついた頃から三社のお神輿を担いでワッショイ!で育った
お義姉さん達は三社祭が始まると畳の部屋に晒しが解き放たれて、男たちが晒しを締めていくその光景を思い出して胸が熱くなるそうだ
夫と仲見世を歩いていると、必ず暖簾をくぐる店があった
仲見世近くの立ち飲みのお店で女性客は一人もおらず
客たちは勝手に昼から道路に縁台を出してお酒を飲んで競馬中継を聞いていた
夫はそこの牛筋の煮込みが美味しいと満足げに啜って、戸惑う私を面白そうに笑ってた
赤坂や銀座の立派な店で遊ぶ夫で無く、私が思い出すのは馴染んだ地元の店で楽しそうに時間を過ごす夫の事で、
地方に行くと必ずその土地の赤ちょうちんに入って年季の入った親父さんから地元の面白い話を聞いたりして美味しい地酒を飲んでいた
今、深夜に放映されてる「深夜食堂」と言うドラマが妙に懐かしい…
夫が余命いくばくかで病院のベッドに横たわっていた時このドラマが掛っていた
夫が仰向けて両腕を手枕にしてぼんやり無言で流していたのを思い出す
夫を亡くしてそのドラマも終わっていたが、最近またシリーズが始まって、辛くて見れないでいた、が一度見ると魅せられたようにチャンネル合わせて見ている
夫の写真に「深夜食堂」やってるよって声を掛けた
「おっ…」と声が聞こえて、立ち上がって横に来て見てるような気がした
夫を亡くしてから、二、三年で夫の元に逝くものと思っていたが…もう、五年の歳月が流れようとしてる…早いもんだなあ…。◔‸◔。


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by time2022 | 2015-01-27 07:40 | 日記

2017年 11年目の海辺暮らしとなりました       黄昏て70才 撮りためた写真でその時思った事、今思う事等を、書き綴っていきますブログ内の写真イラストの使用を禁じます


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