何か切なく胸が空っぽになった

夫には二人の姉がおり、一度ブログに書いた下の姉と夫とは年が近かったが、上の姉とはかなり年が離れていた 
私は下の義姉とはとっても仲良くして戴いたが、上の義姉とは会うと何か訳もなく緊張してしまうので苦手だった
年齢が離れているだけでなく、かなり厳しいご気性でいろいろエピソードのある方なのだが…
色が抜けるように白く、華奢な手をしているのが印象的で、息子はいるのだが、結婚をした相手を嫌って、都心の高層ビルの上層階に一人で住んでいらした。
そのお部屋もかなり強い拘りを持ってらして、家具はもちろんの事、飾る絵や照明器具に至るまで義姉の思い入れが窺えた
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そのお義姉さんが倒れたと連絡を受けたのはひと月ほど前で
麻痺は残ったけれど、元気なので 退院したらお見舞いに行きましょうと、下のお義姉さんに誘われていたので行ってきた
そこはお義姉さんの部屋では無くて、都心の老人ホームだった 
息子さんの算段で障害の残ったお義姉さんを一人暮らしには戻せないという事で介護の整った老人ホームに入れたらしい
権利を買ったと聞いていたので、普通のマンションの一室かと思っていたら
そのお義姉さんの部屋は、介護用の簡素な部屋で病院の個室のような部屋だった
自立してる人はマンション棟で、お義姉さんは完全介護棟で24時間対応する建物だった
前が開く簡単な寝巻を着て中央に置かれたベットに座っていた
「少し良くなったらお部屋に戻るんですか?」と下のお義姉さんに小さな声で聞くと
「ううん、もう戻れないわよ、トイレも一人じゃ行けないし、Aちゃん(息子)のところに行く?と聞いたらこっちを自分で選んだのよ」という事らしい
じゃあ、ここがお義姉さんの終の棲家になるんだなと複雑な気持ちがした
あの頑ななほどの拘りと思い入れた生活に執着は無いのだろうか…
お姉さんの表情からは察する事はできなかったが、たったひとつ、部屋の隅に見た事のある帽子掛けがあり、いつも被ってたフランスの貴婦人のような帽子が掛っていた
息子さんに「家具は持って行けないよ、これだけは持って行きたいって言うのがあれば・・・」と言われて
この帽子掛けを指差したそうだ
歩くのが無理なので車いすで移動しているそうだが、どこに行くにもその貴婦人のような帽子をかぶって行くそうだ
生涯貫き通した拘りは藻屑のように消え、あの思いを入れ込んだ豪奢な部屋の管理はすでに息子さん夫婦に移り、帰る事の無い主をじっと待つように閉じられているそうだ
あんなに嫌ったお嫁さんが一週間に一度風を入れに行ってるらしい
普段あまり会う人ではなかったが…何か堪らなく寂しかった


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by time2022 | 2013-11-10 06:12 | 日記

2017年 11年目の海辺暮らしとなりました       黄昏て70才 撮りためた写真でその時思った事、今思う事等を、書き綴っていきますブログ内の写真イラストの使用を禁じます


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